今週のテーマ「フィッシュベジタリアンを知っていますか?」
野菜と大豆と魚中心という食生活習慣、フィッシュベジタリアン。
美と健康のためのひとつの方法として注目されています。
<今週のポイント>
健康に気を付けたい方は、肉や乳製品をとらずに野菜と大豆と魚中心の食生活を送る「フィッシュベジタリアン」という食のスタイルを実践してみるのも効果的かもしれません。
「ビーガン」という言葉を聞いたことがありますか?
口にするのは野菜と大豆中心、肉や魚、卵、乳製品を一切とらない、徹底した菜食主義者のことをいいます。
日本ではビーガンはまだまだ少ないと思いますが、ビーガンまでいかなくても、肉や乳製品を食べないベジタリアンの方は意外と見かけるかもですね。
肉や乳製品は悪玉菌のエサになりやすいとされます。コーネル大学の名誉教授、キャンベル博士による疫学調査によれば、8000例におよぶ統計から「動物性タンパク質が、がんや心臓病などの原因になっている」ということがわかったそうです。
でも一方で、魚については少し食べることで、むしろ健康によいこともわかっています。健康のために食生活を気遣うなら、動物性の食品は全て避けるというのも違うといえますね。
魚中心の食生活は日本人に向いている?
そもそも、島国日本では魚は食文化といえるくらいに一般的なもの。一般的な日本人にとっては、肉を避けるくらいなら想像できても、魚もない生活というのは、あまりピンとこないかもしれませんね。
ちなみに世界の長寿国や地域の食生活をみると、野菜や大豆をメインにしたうえで、魚も食べているところが多いそうです。日本で古来より続く、野菜と大豆を基本として、たまに魚をとるという食生活が、日本人の長寿にもつながっているのでしょう。
また、同じくキャンベル博士が行った興味深い実験があります。アフラトキシンという発がん物質をマウスに投与する実験を行ったところ、アフラトキシンを与えた後、摂取カロリーの5%の乳タンパク質を与えられて育ったマウスは、100週目にも毛並みに光沢があり、元気に生きていました。
一方、20%の乳タンパク質を与えられたマウスは、全て肝臓がんで死んだり、100週目の時点で死にかけていたそうです。
アメリカ人の平均的なタンパク質摂取量が15〜16%、日本人が10〜15%ですから、マウスに与えた摂取カロリーの20%という量は決して多すぎるわけではありません。
さらに、高タンパク質であっても、植物性であれば、がんが増えることがなかったという結果も出ています。
これらをふまえて生まれたのが、野菜と大豆と魚中心の新しい菜食主義のスタイル「フィッシュベジタリアン」という考え方です。
もちろん、全ての人に合っていると断言はできません。でも実験結果から見ても、美と健康を願う人にとって効果が期待できる、ひとつの方法と見ることができそうですね。